小学校の算数の授業でおなじみだった分度器、懐かしいアイテムですよね。
大人になると日常生活で分度器を使う機会は減りますが、時には「今、分度器があれば便利なのに」と感じる瞬間もあるはずです。
特に、子供が算数の宿題で分度器を必要としているのに忘れてしまった場合など、急に困ることもありますよね。
今回は、そんな時に便利な「分度器の代用品」をいくつか紹介します。これらを使えば、手軽に角度を測定することができるので、急な必要にも対応可能です。
分度器がない時の代用品の選び方のポイント
分度器の代用品を選ぶ際の一つのコツは、「既に角度が分かっているものを利用する」ことです。
たとえば、「この角度は90度に近いけれど、もしかしたら少し違うかもしれない」と感じたとき、まずは確実に90度である書籍やノートの角を使って基準となる角度を測定します。
その後、不足している部分や余分な部分の角度を別の代用品で補正して、最終的な角度を確定させます。
もし印をつけることができない場合は、最初に対象の角度を紙に写しておくと、測定がスムーズに行えます。これにより、正確な角度測定が手軽に実施できるようになります。
手持ちのアイテムで分度器を代用!身近な物を使った角度測定法
①正方形の紙を使った角度測定
学校で三角定規を使った角度の測り方を学んだ経験を活かして、正方形の紙を使って簡単に角度を測定する方法を紹介します。
用意するもの:
- 正方形の紙(手元に正方形がなければ、長方形の紙を三角に折ってカットして作成)
- ハサミ
手順:
- 紙を縦に二つに折り、しっかりと折り目をつけてから開きます。
- 紙の右下の角を折り目に沿って上に折り上げ、三角形を形成します。
- 折った線に沿ってハサミでカットします。これにより、90°、60°、30°の角度が持つ三角形が形成されます。
さらに、これらの角をさらに半分に折って切ることで、45°、30°、15°といったより細かな角度を作ることができます。これを繰り返すことで、22.5°、15°、7.5°など、さらに細かい角度も作成可能です。
多くの三角形を組み合わせれば、さまざまな角度の測定が可能になります。
カットする際には、より正確な線を引くために、折り目に沿って定規と鉛筆でマークしてから切ると良いでしょう。
②アナログ時計を利用した角度測定法
一般的なアナログ時計の分目盛りを使って、角度を測定する方法を紹介します。
アナログ時計の長針は、1時間で360度、つまり1分で6度進むことから、時計の分目盛りが角度の計測に利用できます。この特性を利用すれば、時計は全円分度器として機能します。
また、短針については、1時間で30度動くため、1分間で0.5度進みます。
この特性を利用した角度測定の手順は以下の通りです。
用意するもの:
- アナログ時計
- はさみ
- 筆記具
- トレーシングペーパーまたはその他の透明な紙
計測手順:
- まず、5分ごとの目盛りで30度、10分で60度、15分で90度というように基本的な角度の目安を設定します。
- トレーシングペーパーを時計の上に置き、目盛りを写し取り、それを切り出します。ただし、最小単位が6度であるため、より精密な測定が必要な場合は以下の手順を追加します。
- 長針の位置を紙に写し、2分間待った後の長針の位置を再度写し取ります。この2分間の移動距離で1度の計測が可能です。
- 必要に応じて、1度、2度、3度、4度、5度の軌跡をまとめて記録しておくと、後で細かい角度を計算する際に便利です。
この方法では、時計が透明ではないため、直接的な重ね合わせでの角度測定は行えませんが、前述の手順で正確な角度を割り出すことが可能です。
③スマートフォンやパソコンを活用する
より簡単に角度を測定したい場合、無料で利用できる分度器アプリがおすすめです。
このようなアプリには、写真に分度器の画像をオーバーレイして測定するタイプや、スマートフォンを物理的に傾けて角度を計るタイプなど、様々なバリエーションがあります。使いやすいアプリを見つけて活用してみてください。
アプリのインストールに抵抗がある方向けには、オンラインで利用できる分度器ツールも存在します。このツールでは、アップロードした画像に透過分度器を重ねて角度を計測することができます。
これらのツールを使うことで、手軽に正確な角度測定が可能になります。
④パソコンとプリンターの活用法
オンラインで分度器の画像を無料で提供しているウェブサイトもあります。これらのサイトから分度器をダウンロードしてプリントアウトし、手元で使うことができます。
この方法は特に、インターネットやスマートフォンが利用可能な環境で非常に便利です。オンラインリソースを活用して、必要なツールを手軽に入手しましょう。
⑤天体観測にも使われる、腕と指を使った角度測定法
天体観測では、手軽に角度を測定するために腕や指を使用する方法があります。これは、遠くの星や大きなオブジェクトを測定する際に特に便利です。
測定の方法は以下の通りです。
- まず、背筋を伸ばし、目標物に向かって腕を真っ直ぐ前に伸ばし、拳を握ります。
- 握った拳が、地面を底辺とした時に約10度の角度を示します。
- 信じがたいかもしれませんが、拳を積み重ねていくことで、大まかな角度を測ることができます。頭の上に来る9個目の拳がちょうど90度になります。
また、手の形を変えることで以下のようにさまざまな角度を測定できます:
- 親指を立てると15度
- 親指と小指を最大限に広げた状態で20度
さらに、指を使ってより細かい角度を測ることもできます:
- 小指で1度
- 親指で2度
- 人差し指と中指を使うと3度
- 人差し指から薬指までで5度
- 人差し指から小指までで7度
指を使う場合は、指同士がしっかりと接触していることを確認してください。この手法を使えば、特別な道具がなくても大まかな角度を簡単に測定することができます。
まとめ:分度器なしで角度を測る方法
- 正方形の紙から作る三角形: 紙を正方形に切り、三角形に折って角度を作ることができます。これを使って、90°、45°などの角度を簡単に測定することが可能です。
- アナログ時計の目盛り利用: 時計の分目盛りを使って、時間に応じた角度を測る方法です。1分で6°という特性を利用します。
- デジタルツールの活用: 分度器アプリやオンラインで使える分度器、さらにはプリントアウト可能な分度器の画像を利用して、任意の角度を測定することができます。
- 腕や指での測定: 天体観測などで役立つ、腕や指を使って視覚的に角度を測る方法。特に大きなものや遠くのオブジェクトの角度を測る際に便利です。
これらの方法は、分度器が手元にない時でも角度を測るのに非常に役立ちます。また、アプリを使えば手軽に、紙や時計を使う方法は実践的で楽しみながら学べます。
特に子供と一緒にこれらの方法を試すことで、学習体験を豊かにすることができるでしょう。天体や大きな物体の角度を手で測る方法も、一度試してみる価値があります。