チャーシューやローストビーフ作りに欠かせない「タコ糸」は、料理書にも頻繁に登場します。
しかし、タコ糸は日常的に使うものではないため、作ろうと思った時に在庫がないことに気づく場面もあります。
「あれ、タコ糸がない!どうしよう…」
わざわざタコ糸を買いに行くのは少々面倒です。
このような時に便利な『タコ糸の代用品』をいくつかご紹介しますので、お困りの際にはこれらのアイディアをお試しください。
チャーシューやローストビーフでタコ糸が果たす役割とその必要性
タコ糸の主な使用目的は、肉の形を維持することにあります。
例えば、チャーシューと言えば、その特徴的な丸い形を思い浮かべるかもしれません。
チャーシューの起源は、中国で直火にかけて焼かれる豚肉の料理で、日本では「焼豚」として知られています。
日本においては、煮込む調理法も一般的で、「煮豚」とも呼ばれます。
調理書を見ると、焼豚や煮豚にせよ、肉を整形してから調理するためにタコ糸が使われることが多いです。
肉の塊を焼く場合、特に焼豚やローストビーフでは、形を整えておくことで熱が均等に行き渡り、焼きムラが少なくなり、結果として美味しく仕上がります。
また、肉を裏返す際にも形が整っていると作業がしやすいというメリットがあります。煮豚の場合、タコ糸で縛ることによって、脂身の多い部位が煮崩れしにくくなる効果も期待できます。
タコ糸の代替として爪楊枝がお勧め
チャーシューなど、煮込み料理で肉を整形する際、爪楊枝を使用して形を保持する方法が効果的です。
以下に、その手順を示します。
【準備するもの】
- 爪楊枝
【手順】
- 煮込む前に、肉の形を整えながら適切な場所に爪楊枝を挿します。
- 挿入した爪楊枝をそのままにして、肉を鍋に入れ煮込みます。
- 煮込みが終わったら、使用した爪楊枝を全て取り除きます(使用した爪楊枝の本数を覚えておくと安全です)。
この方法で、チャーシューを美味しく仕上げることができます!
手芸用の糸を料理での代用に使うべきではない理由
タコ糸の代わりに何が使えるか考えた際、手芸用の糸が候補に挙がることがあるかもしれません。
木綿糸や麻糸など、太めの糸は一見料理に適しているように思えますが、手芸用の糸はロウ加工されていることが多く、これが調理には不向きです。
また、たとえ白色の糸であっても、染料や漂白剤が使用されている場合があります。これらの成分が調理過程で食材や煮汁に溶け出す危険性があります。
さらに、手芸用の糸は調理中に繊維がほどけやすく、食材に繊維が混入するリスクもあります。これらの理由から、料理においては専用の調理用タコ糸を使用するのが最も安全です。
タコ糸不要の調理方法
①タコ糸を使用しないレシピが人気
最近では、初めから形が整えられたお肉の塊が市場に出回っています。特に、ローストビーフ用として販売されている製品は、タコ糸で縛る必要がありません。
チャーシューを煮込む際も、豚肩ロースなど崩れにくい部位を使用すれば、タコ糸を使わずに調理が可能です。
さらに、タコ糸を使わない簡単な料理方法も紹介されていますので、ぜひチャレンジしてみてください。
オンラインのレシピサイトでも、タコ糸を使用しないレシピが多く、人気を集めています!
②タコ糸を使わないチャーシューの調理法
①焼き固める工程
チャーシューを煮込む前に、肉全体にしっかりと焼き色をつけることで、煮込み中に肉と脂が分離するのを防ぎます。フライパンで豚肉の外側を均等に焼くことがポイントです。
②アルミホイルを使用する方法
アルミホイルを用いてお肉を成形し、その状態で加熱する方法です。これにより、肉が整形された状態で美しく保たれます。
【必要なもの】
- アルミホイル
【手順】
- 下味をつけたお肉をアルミホイルでしっかり包み、形を整えます。
- フライパンやグリルでアルミホイルごと加熱します。
- (焼豚の場合)はそのまま十分に加熱し続けます。 (煮豚の場合)は適度に加熱した後、アルミホイルを取り除いて煮込みます。
③プラスチックラップを活用する方法
プラスチックラップを使って肉を形成し、電子レンジで加熱することにより、料理の形を保つ方法です。
【必要なもの】
- プラスチックラップ
- 電子レンジ
【手順】
- 下味をつけたお肉をプラスチックラップでしっかりと巻いて形を整えます。
- それを電子レンジで加熱します。加熱時間はお肉のサイズに応じて調整します。
- (煮豚の場合)一定の加熱後にプラスチックラップを外し、続けて煮込みます。
④クッキングシートでの加熱方法
クッキングシートを使って肉を包み、その状態で電子レンジにかけることで、整った形をキープする方法です。
【必要なもの】
- クッキングシート
- 電子レンジ
【手順】
- 下味がついた肉をクッキングシートで包み、端をねじって形を整えます。
- 電子レンジで加熱し、お肉の大きさに応じて時間を調整します。
- (煭豚の場合)適度に加熱された後、クッキングシートを外してから煮込みます。
③タコ糸不要のローストビーフ作り方
①ラップとポリ袋を使用した湯煎法
焼き色をつけた後、肉をラップで包み、湯煎で加熱する方法です。
湯煎に使用するラップとポリ袋は、熱に耐えられるタイプのものを選んでください。
【必要なもの】
- 耐熱ポリ袋
- ラップ
【手順】
- 肉に下味をつけます。
- フライパンでしっかりと焼き色をつけた後、ラップで包んでから耐熱ポリ袋に入れます。
- 沸騰したお湯に入れ、3~5分間湯煎します。
- 火を止めた後、10~15分放置します。
肉の大きさに応じて湯煎時間を調整し、温度計を使って中心温度(約50℃~60℃が目安)をチェックすると良いでしょう。
②アルミホイルとオーブンを使用した調理法
焼き色を付けた後、アルミホイルで包み、オーブンで加熱する方法です。
【必要なもの】
- オーブン
- アルミホイル
【手順】
- まず肉に下味をつけます。
- フライパンでしっかり焼き色を付けた後、アルミホイルで包みます。
- 予熱したオーブンに入れ、肉の量に応じて加熱時間を調整します(例: 400gの肉の場合は120℃で30分、600gの場合は120℃で40分)。
- オーブンのスイッチを切った後、余熱で10〜20分ほど置いてから取り出し、完成です。
タコ糸を使わない調理方法のまとめ
タコ糸は通常、料理中のお肉の形状を保持するために使用されます。
チャーシュー(煮豚)の場合、成形することで煮崩れを防ぎ、ローストビーフや焼豚は均等に火が通るように形を整えることで、より美味しく仕上がります。
タコ糸を使用しないチャーシューの調理方法には、以下の4つのテクニックがおすすめです。
- 焼き目をつける
- アルミホイルを使用
- ラップと電子レンジを活用
- クッキングシートと電子レンジを利用
また、ローストビーフを作る際にタコ糸を使用しない方法として、以下の2つが効果的です。
- ラップとポリ袋を使った湯煎法
- アルミホイルとオーブンを使う方法
これらの方法を利用すれば、タコ糸なしでもお肉の料理が楽しめます。