和食の定番「ぶりの照り焼き」。香ばしいタレの香りに食欲をそそられ、食卓に並ぶとつい笑顔になってしまう一品ですよね。
でも、いざ自分で作ってみると「なんだかパサパサしてる」「思っていたより固くて食べにくい…」と感じたことはありませんか?せっかくの食材なのに、うまくいかないとがっかりしてしまいますよね。
実は、ぶりの照り焼きはちょっとしたコツを知るだけで、ぐっとおいしく、しかも失敗知らずに仕上げることができるんです。
この記事では、料理初心者さんや普段あまり魚料理をしない方でも安心して挑戦できるように、ふっくらジューシーなぶりの照り焼きを作るための下ごしらえ・焼き方・味付けのポイントを、やさしく丁寧に解説していきます。
「次こそおいしく作りたい」「家族にも喜んでもらいたい」そんなあなたにこそ読んでほしい内容です。
なぜ固くなる?ぶりの照り焼きでよくある失敗
実は、ぶりが固くなる一番の原因は「火の入れすぎ」。 魚はとっても繊細なので、加熱しすぎると水分が抜けてしまい、身がギュッと縮んでパサついてしまうんです。
特に照り焼きは、タレを煮詰めながら仕上げる工程があるため、焼きすぎてしまう人が多いのも事実。 「もう少し焼いたほうが…」とつい不安になって火を入れすぎてしまうと、せっかくのぶりの旨味やジューシーさが台無しになってしまいます。
他にも、下処理が不十分で臭みが残っていたり、タレを加えるタイミングが早すぎて焦げやすくなったりすることも、食感や風味を損なう原因になります。 また、「天然ぶり」は身が引き締まっている分、養殖に比べてやや加熱時間を短めにするのが理想です。 少し焼き加減に注意してあげるだけで、ぐっと食べやすくなりますよ。
選び方からスタート!照り焼きに合うぶりの見分け方
おいしく仕上げるには、まず「鮮度の良いぶり」を選ぶことがとても大切です。 新鮮なぶりは、目が透明で澄んでおり、全体的にツヤがあります。身にしっかりとハリがあり、触ったときに弾力を感じるようなものを選びましょう。
また、皮の部分が乾燥していたり変色しているものは避けたほうが無難です。 できれば、鮮魚コーナーで店員さんに「今日おすすめのぶりはどれですか?」と声をかけてみるのもおすすめです。
さらに、部位にも注目してみてください。 照り焼きにするなら、脂がしっかりのった“腹身”の部分がジューシーに仕上がりやすくて人気です。 脂の層がはっきり見えるものを選ぶと、焼いたときに旨味がジュワッと出てきますよ。
スーパーで購入する際は、パック越しでも良いので、ラップの内側に水滴がたまっていないか、変色していないか、身の色が均一かをチェックしてから選ぶと安心です。 小さな違いですが、焼き上がりの満足度がぐんと変わってきます。
下ごしらえが決め手!臭みを抑えてふっくら感アップ
ぶりは独特の香りがあるため、「臭み取り」の工程がとっても大切になります。 このひと手間を丁寧に行うことで、仕上がりの風味がぐんと良くなり、食べやすくなるんですよ。
まず、切り身に塩を軽くふって10分ほど置きましょう。 塩には水分を引き出す作用があり、表面に出てきた水分と一緒に臭みも抜けてくれます。 時間が経ったら、出てきた水分をキッチンペーパーなどで丁寧に拭き取り、軽く流水で洗い流してください。
さらに、臭みをやわらげつつ柔らかく仕上げたいときは、料理酒に5〜10分ほど漬けておくのもおすすめです。 料理酒のアルコール分が臭みを和らげ、同時に身がふっくらと仕上がりやすくなります。 漬ける時間が長すぎると風味が強くなりすぎてしまうこともあるので、軽く浸けてからすぐに調理に入るくらいがちょうど良いバランスです。
また、お好みで薄切りのしょうがを一緒に漬けると、さらにさっぱりとした風味になり、ぶり特有の香りが気になる方にもぴったりです。 こうした下ごしらえをしっかり行うことで、焼き上がりの美味しさが一段とアップしますよ。
焼き方のコツ|火加減とタイミングがカギ!
ぶりを焼くときは、まず「中火」でじっくり加熱するところからスタートしましょう。 最初に皮目を下にして焼くのがポイントです。皮の部分がパリッと香ばしく焼けることで、見た目も美しく、食べたときの食感も楽しくなります。 皮がフライパンにくっつきやすい場合は、油をなじませてから焼くか、あらかじめキッチンペーパーなどでしっかり水気を取っておくと良いですよ。
焼き時間は片面につき2〜3分が目安ですが、厚みによって調整してください。 皮目にこんがりと焼き色がついたら裏返し、もう片面を焼きます。 このときも火加減は中火〜弱火で、焦がさないように注意しましょう。
身が白っぽく変化してきたら、火が通ってきたサインです。 でもここで焼きすぎないようにするのが大切なポイント。 中まで火を完全に通す必要はなく、“少しレアかな?”と感じる程度で一度火を止めましょう。
このあと、タレを加えて再加熱する工程でしっかり火が通るため、最初の焼きの段階では半生でも心配ありません。 ふっくら感を保つためには、「焼きすぎない勇気」がとても大切なんです。
タレで味が決まる!黄金比とアレンジ
基本のタレは「しょうゆ:みりん:酒:砂糖=1:1:1:1/2」が黄金比。 このバランスで作ると、甘すぎずしょっぱすぎず、ぶりの旨味を引き立てるまろやかな味わいになります。
甘さ控えめにしたいときは砂糖を少なめにするのもOKですし、逆に甘みを強くしたいときはみりんの割合を少し増やすと自然な甘さが加わります。 しょうがをすりおろして少し加えると、魚の臭みが取れてスッキリとした後味に。 にんにくを少量入れれば、食欲をそそる香りが広がり、ごはんがどんどん進む味になります。
さらに、バターをほんのひとかけ加えるとコクが増して、洋風な味わいも楽しめます。 お子さま向けには、砂糖を少し多めにしてやさしい甘さに仕上げるのもおすすめですよ。
タレは焼き終わりに加えるのがポイント。 中火〜弱火でじっくりと煮詰めながら、ぶりにタレをからめていきましょう。 このとき、焦がさないようにフライパンの様子をよく見ながら、ゆっくり混ぜてあげると、ツヤのある美しい仕上がりになります。
煮詰めすぎるとタレが固くなってしまうので、とろみが出てきたタイミングで火を止めるのがベストです。 香ばしい香りと照りが出てきたら、完成の合図ですよ。
初心者さんでも大丈夫!かんたん照り焼きレシピ
材料(2人分)
- ぶり切り身:2切れ(できれば脂ののった腹身)
- 塩:少々(臭み取り用)
- 酒:大さじ1(下味&臭み取り用)
- 薄力粉:適量(焼き上がりをカリッとさせたい場合)
- サラダ油:小さじ1(フライパン用)
- タレ:
- しょうゆ:大さじ2
- みりん:大さじ2
- 酒:大さじ2
- 砂糖:小さじ2
- お好みで:おろししょうが少々やバター少量を加えると風味アップ
作り方
- ぶりに塩をふり10分ほど置く。表面に出てきた水分をキッチンペーパーでしっかり拭き取ったあと、酒をふりかけてさらに5分漬けて下味をつける。
- 希望に応じて、薄力粉を薄くまぶす。粉をまぶすと焼いたときに表面がカリッと仕上がり、タレのからみもよくなる。
- フライパンに油をひき、しっかりと温めてから皮目を下にして中火で焼く。焼き色がつくまで2〜3分ほど。
- 裏返してさらに1〜2分焼き、両面にこんがりと焼き色がついたら、あらかじめ混ぜておいたタレを加える。
- 弱火にして、スプーンでタレをかけながら照りが出るまでじっくり煮からめる。タレがとろりとしてきたら完成。
固くなっても大丈夫!美味しくリメイク
もし、焼きすぎてしまっても大丈夫。 ぶりの照り焼きは、少し手を加えるだけで美味しくリメイクできます。
たとえば、身を軽くほぐして大根おろしと一緒にポン酢で和えれば、さっぱりとした副菜に早変わり。 温かいごはんにタレごとのせて、刻み海苔や小ねぎを添えれば、簡単なのに満足感のある「ぶり照り丼」が完成です。
また、残ったぶりをほぐしてマヨネーズや刻みたまねぎと混ぜれば、ポテトサラダに入れるアレンジも可能。 バゲットにのせて焼けば、和風オープンサンドにもなります。
その他にも、卵とじにして親子丼風にしたり、ほぐしたぶりとタレをうどんのつゆに入れてぶっかけうどん風にするのもおすすめ。
ちょっとしたアイデア次第で、残ったぶり照り焼きも最後まで飽きずに美味しく楽しめます。
最後に|ぶりの照り焼きは”ちょっとのコツ”で変わります
下ごしらえ・火加減・タレの順に丁寧に向き合えば、 初心者さんでもきっとふっくらおいしく仕上げられます。 ぶりの照り焼きは決して難しい料理ではなく、ちょっとしたポイントさえおさえておけば、お店のような味をおうちでも再現できるようになります。
特別な道具も必要なく、シンプルな材料だけで作れるのも嬉しいところ。 何度か繰り返すうちに、自分なりのベストな味加減や焼き加減も見つかっていくはずです。
失敗を恐れず、楽しみながらぜひ今日の夕ごはんに挑戦してみてくださいね。 家族や大切な人に「おいしい!」と言ってもらえる瞬間を、きっと味わえるはずです♪